京西清談は、私が東京の世田谷に住んでいるからと、気持ちが癒される、あるいは、”ほっ”とする話題を提供したいからです。
 
音楽鑑賞三昧の日々をすごして思う事「人はパンのみにて生くるにあらず」

音楽鑑賞三昧の日々をすごして思う事「人はパンのみにて生くるにあらず」

この1月12日から15日までの4日間は音楽鑑賞三昧の日々を過ごしました。

  • 12日はピアニストのピアノリサイタル
  • 13日はオーケストラの演奏
  • 14日は室内楽のひととき
  • 15日は浄瑠璃を聴く

ピアノリサイタルで演奏したのはJJ ジュン・リ・ブイ(JJ Jun Li Bui)です。第18回ショパン国際ピアノコンクールで最年少参加者(当時17歳)にして第6位入賞を果たしました。当日のプログラムはベートーヴェンのピアノソナタ第31番変イ長調、ラヴェルの曲、ショパンの24のプレリュードでした。何時もながらピアノリサイタルの時、約2時間(休憩を含む)の演奏時間すべて譜面無しで弾くピアニストの頭の中ってどうなっているのだろうと思います。それに引き換え5分程度の曲を覚えるのに「フウフウ」言っているわが身が情けなくなります。

オーケストラの今回の公演はブルックナー生誕200年記念でブルックナー:交響曲第1番が演奏(指揮:下野竜也、オーケストラ:都響)されました。私はピアノリサイタルには良く行きますが、オーケストラの演奏はここ最近聴きに行っていませんでした。オーケストラの紡ぐ音楽では指揮者の力量に左右されると思います。その理由は単純に演奏者の数が多いからです。今回のオーケストラの編成はフルート3、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニー、弦楽5部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)でした。正確に人数を数えていませんが総勢80名ぐらいだとおもいます。これだけの人数の演奏者が奏でる音が不協和音になったら聴くに堪えられないとおもいます。今回の演奏は素晴らしい出来でした。

室内楽ですが、私の学生時代からの友人が喜寿を記念して開催したものです。喜寿を記念したのは彼だけではありません。2組の夫婦とコントラバス演奏者による室内楽ですが全員が高齢者でした。多分、喜寿を迎えた人はもうひとりいたと思われます。何曲か弾きましたが、出色はシューベルト:ピアノ5重奏曲「鱒」イ長調の演奏でした。40分近い演奏を素人集団が見事演奏したのでした。「良い歳のとり方をしているなぁ」とすこし羨ましくなりました。

浄瑠璃というと人形浄瑠璃を想像する人が多いと思いますが、本来、浄瑠璃とは三味線を伴奏とする語り物を言います。人形浄瑠璃は舞台上の人形が動作を、浄瑠璃の太夫が科白を受け持つ伝統芸能です。今回は浄瑠璃を聴きました。演目は道行三度笠(作:近松門左衛門)、演者は都了中(みやこ りょうちゅう、一中節 都派 家元)でした。道行三度笠は飛脚、忠兵衛と遊女、梅川の道行の話です。了中さんの語り口と三味線の伴奏が作る音の響きが心地よかったです。公演の最後に了中さんが引用した言葉「しきしまの大和の国はことだまの助くる国ぞ(大和の国は言葉に霊力がひそんでいる国だ。 私が今、こうして祈っているのだから、効き目がないわけがない。 無事帰っていらっしゃるに違いない)」は日本語の持つ力を大事にする了中さんの心意気が現れていると考えます。

ジャンルの違う音楽を聴いて強く思うことは「人はパンのみにて生くるにあらず」です。

 

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