京西清談は、私が東京の世田谷に住んでいるからと、気持ちが癒される、あるいは、”ほっ”とする話題を提供したいからです。
 
悪女映画:イヴの総てについて

悪女映画:イヴの総てについて

2023年2月26日のNIKKEI the STYLEに掲載された「名作コンシュルジュ」でジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の「イヴの総て」が紹介されていました。記事の見出し【「悪女映画」超えた味わい大女優の豊かな陰翳(いんえい)光る】とありました。悪女映画という言葉に興味が惹かれました。この映画は1950年に公開されたふるい古い映画です。

ビックリすることに73年前に公開された映画をアマゾンプライムで見ることが出来たのです。アン・バクスター演じるイヴ・ハリントンが悪女でした。

ここで少し映画の筋を紹介します。映画はイヴ・ハリントンが演劇界最高の賞を受け取る場面から始まります。ではイヴはどうやってスターの座に上ったのでしょうか。イヴは大女優であるマーゴ・チャニングの出演する劇場の楽屋口に連日通い、遂に楽屋に出入りするようになります。マーゴに気に入られマーゴの付き人になります。付き人から秘書に、秘書からマーゴの代役に、代役から主役を演じる女優に、人気を得て演劇界最高の賞を受け取るまでに上り詰めます。この有名になる階段を上るために劇作家、舞台監督、演劇評論家に取入り、嘘とたくらみと悪知恵を駆使してマーゴを蹴落とし、イヴが名声を勝ち得てゆく映画です。

悪女というと妖怪のような、あるいは邪なキャラクターを想像してしまいますが、イヴは吉永小百合、あるいは綾瀬はるかのような清純派女優のイメージを漂わせる女性です。悪女は実に判別し難いので厄介です。しかし悪女は地位とおカネのある人に近づきますが、そうでない人は“体良く無視されます”。

悪女が近づくのは成功の証と考えると悪くないかもしれません。金もない、地位もない、権力もない方々は平穏な人生を送れる幸せが待っています。それって悩ましいですね。

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