504兆円の債務超過って想像できますか⁉(その3)

話題のMMTは経済理論です。経済理論で注意すべき点は、その理論の前提です。前提が崩れればその理論は成り立たなくなります。我々はその理論の結論だけを鵜呑みにして、前提を忘れる傾向があります。MMTの理論を要約すると「金利上昇、そしてインフレにならない限り、財政赤字には問題がない」です。しかし、我々は結論のみをいいとこ取りして、「財政赤字を続けても、日本は破綻しない」と考えます。MMTの前提は「金利上昇がない」、「インフレにならない」です。この前提が崩れるとMMTにおいても日本は破綻するの結論となります。

今後50年間金利上昇がないという前提を考えてみます。
先ず、過去の推移を見てみます。50年前の短期プライムレートは6.25%、40年前には9.25%まで金利が上がったことがあります。30年前は6.25%、20年前は1.5%、10年前は1.475%です。日本が高度成長をしていた時の金利、今から考えると高金利の昭和の時代が終わりリーマンショックから平成の失われた20年間は低金利が続いています。

MMTの下での金利上昇がないという前提で考えなければいけないことは、50年先、つまり我々の孫、或いはひ孫の世代までの金利が現状のような低金利であるか否かです。これからの日本は多死社会になります。つまり人口減少社会になります。もし、一人当たりの生産性が現状と同等であるとするとGDP減少社会になります。GDP減少社会になるとクラウディングアウト(第2回参照ください)となり金利は上昇します。過去の歴史からも50年間低金利が続くという蓋然性を見出すことができません。これから50年の間、金利上昇はないというMMTの前提に疑問符をつけざるを得ません。

国債がGDPの2倍以上もある日本(多くの先進諸国は国債の残高はGDPの範囲内にあります)で金利が上がったら、財政は壊滅的打撃を受けます。長期的に見ると金利は上がらないという保証はなく、むしろ金利は上がる蓋然性が高いです。ですから「財政赤字を続けたら、日本は破綻する可能性がある」になります。

多額の財政赤字を続ける日本の現状は、月収60万円のサラリーマンが生活費に毎月100万円使っているに等しいです。こんな生活がこれから50年続くとは常識的に考えてもありえないです。月収を上げるか(経済成長)、生活費を下げるか(社会保障費の削減)して月収=生活費にする努力が切に求められると思っています。

読者のみなさまの忌憚のないご意見をお聴きしたいです。

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  1. ピンバック: 504兆円の債務超過の日本国を健康診断する | 京西清談(きょうさいせいだん)

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