今回は連載:金融リテラシー (Financial Literacy)って私に必要ですか・・の最終回です。
最近、政府が金融リテラシー マップを作製していることを知りました(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy/pdf/map202306.pdf )をクリックすれば見ることができます。金融リテラシー マップでは、各世代が備えるべき心構えについて次のように記載しています。
小学生:社会の中で生きていく力の素地を形成する時期
中学生:将来の自立に向けた基本的な力を養う時期
高校生:社会人として自立するための基礎的な能力を養う時期
大学生:社会人として自立するための能力を確立する時期
若年社会人;生活面・経済面で自立する時
一般社会人;社会人として自立し、本格的な責任を担う時期
高齢者:年金収入や金融資産取り崩しが生活費の主な源となる時期
更に進んで金融リテラシー マップはそれぞれの世代が養うべき金融知識の必要性を述べています。つまり、国民全体が金融リテラシーを持つようにするには金融リテラシーに関して小学生から高齢者までの各年代の生涯教育が必要になります。そうすれば多くの国民は金融知識及び金融経済事情の理解ができ、適切な金融商品の利用選択が可能となります。この状態を金融リテラシー(金融に対する知識や金融を使いこなす能力)が浸透していると言えます。
本稿では、金融リテラシーの“金融資産に対する知識”の詳細な説明は省きます。機会があれば金融に対する知識について詳らかに説明したいと考えています。私は“投資をする際の心構え”の方がより重要と考えています。ゴルフを例にすると投資をする際の心構えのイメージが付くと思います。あなたはアベレージゴルファーですか?シングルプレイヤーですか?あなたはプロゴルファーですか?上の段階に進むには練習が必要です。運動神経も必要です。ゴルフであれば多くの人は自分の立ち位置を間違うことがありません。しかし、おカネが絡むと多くの人は自分を見失います。更に厄介なことは金融に対する知識が無くても、投資の経験がなくても誰でも金融市場に参加できることです。
金融資産1億円達成を目標にするとテンバガー(短期間に株価が10倍になる株)投資が魅力的です。しかし、テンバガー株と思った株が短期間に無価値になる確率は少なからずあります。そんなリスクを取ることは、老後の貯えのために金融資産を運用することを目的にする人には勧められません。
私のお勧めは、「分散投資」です。分散投資とは資産の分散と時間の分散です。
格言が分散投資のポイントを知る良い道しるべとなります。
- 資産分散の格言:卵は一つのカゴに盛るな
卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということ。 - 時間分散の格言:さざれ石の巌となりて(国歌の一小節)
長期間コツコツと積立を実践することで大きな資産を形成できること
株式投資や投資信託投資をするとどうしても欲がでます。欲に任せて資産運用をすると多くの場合回復不能な損を被ります。欲を抑えることは至難の業ですが分散投資を投資の基本に据えると案外苦労せず欲を抑えることができます。特に注意して欲しい時期が退職金が支払われた時です。気持ちが大きくなると欲望を抑えることが難しくなります。そのような時こそ分散投資を実践して欲しいです。
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