京西清談は、私が東京の世田谷に住んでいるからと、気持ちが癒される、あるいは、”ほっ”とする話題を提供したいからです。
 
歌舞伎を題材にした小説「国宝」について

歌舞伎を題材にした小説「国宝」について

ブログの読者の友人からの連絡です。【歌舞伎の観劇とは、高尚な趣味をお持ちですね。(中略)友人よりまわってきた本にはまりました、現代に通じる歌舞伎役者の物語です。稽古の苦しさ、家族問題、ヤクザや興行師と芸能界のどろどろした関係、そこで生きた複雑な人たちをえがいた文学作品です。
ご興味あれば読んでみて下さい。
著者は芥川賞受賞作家です。
「国宝」上巻:青春編、下巻:花道編
作者 吉田修一】

早速「国宝」を読みました。上下巻800ページを超える大作ですが、話の展開の面白さにつられて一気に読み進みました。国宝とは人間国宝のことです。任侠の一門に生まれながら梨園の世界へ飛び込み芸の道に青春を捧げた喜久雄と上方歌舞伎の名門の嫡男として生まれ育った俊介が物語の縦糸と横糸となって話は展開していきます。ふたりは共に女形を演じる歌舞伎役者を目指し稽古をしてお互いの技量を高めていきますが、運命はふたりの進む道を変えてしまいます。

ここで、POPの文章を引用します。【任侠の一門に生まれながら、この世ならざる美貌を持った喜久雄。極道の世界から梨園の世界へ飛び込んだ立花喜久雄の人生を中心に物語は進んでいきます。

上下巻で20の章立ては喜久雄の師匠や上方歌舞伎の名門の嫡男として生まれ育った俊介、幼いころから太い絆で結ばれている徳次など様々な人物の人生に触れて喜久雄と交わっていきます。

長崎から大阪、そして高度成長後の東京へ舞台を移しながら、血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り、数多の歓喜と絶望が、役者たちの芸道に陰影を与え、それぞれの人生を思わぬ方向へと向かわせます。

そして喜久雄の人生を想像もできないような域にまで連れ出していく、最高の感動を届ける大河小説です。】

この小説は人の琴線に触れる話がたくさん詰まっています。「国宝」は映画化され、来年(2025年)主演:吉沢亮、横浜流星で公開されるそうです。興味津々ですね。

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