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2024年本屋大賞受賞作品「成瀬は天下をとりにゆく」を読みました。
「成瀬は天下をとりにゆく」(著:宮島未奈)は中学生、成瀬あかりを主人公とした小説です。
この本を読み始めた時、「成瀬は天下をとりにゆく」は成瀬あかりを主人公とした長編小説との思い込みがありました。この本は成瀬あかりを主人公とした短編集でした。私の思い込みから、「前の章と話がつながらないな!」とこの小説にすこし違和感を持ちました。短編集であることが気付いた後すんなりとこの作品を読むことができました。
主人公、成瀬あかりのプロフィールは次の通りです。
成瀬あかりは滋賀県大津市生まれ同市在住。周囲から変わった子と思われても、ブレることなく興味の赴くまま我が道を突き進む。あけび幼稚園、ときめき小学校、きらめき中学、膳所高校に行く。将来の夢は二百歳まで生きることで、それ以外にも大津にデパートを建てるなどスケールの大きな夢を多く語っている。大きなことを百個言って一個でも叶えばいいと主張し、日ごろから口に出して種をまいておくことが重要で、何になるかより、何をやるかのほうが大事と考えている。更にひとりで何事も出来てしまうことから、そのことが気に食わないクラスメイトたちから避けられるようになり、小学5年のときにはあからさまに仲間外れにされるが、本人はまったく意に介していなかった。
著名小説家が書いたこの本のキャッチコピーが多いに参考になります。
三浦しをん 【青春は琵琶湖の形をしている。真円ではないが広々として楽しく、切ないほどにきらめいているのだ。】
辻村深月 【自分が人生のどこかで別れてきた「どこか」「何か」が共鳴する、いとおしい青春小説。】
柚木麻子 【可能性に賭けなくていい。可能性を楽しむだけで人生はこんなにも豊かになるのか】
この小説を読む読者の年代によって、読後感はかなり異なると想像されます。団塊の世代の私は、子世代でなくて孫世代の青春、つまり私の孫の青春は案外小説のようなのかも知れないなと感じました。