このGW中に箱根仙石原に行きました。箱根仙石原には季節に関係なく頻繁に行っています。今回訪ねて、ふたつ報告したいことがあります。(1)星の王子さまミュージアム、(2)ニコライ バーグマン 箱根ガーデンについてです。
(1)星の王子さまミュージアムについて
同ミュージアムが3月31日に閉園となりました。このミュージアムは、『星の王子さま』の作者であるサン=テグジュペリの生誕100年を記念して1999年に開館したテーマパークです。展示ホールでは、サン=テグジュペリの生涯や作品の誕生秘話を写真や手紙、愛用品などの資料で紹介していました。また、映像ホールでは、400インチスクリーンで『星の王子さま』の物語や作者のドキュメンタリーを見ることができました。園内には、フランスの街並みや教会、城、庭園などが再現されており、まるでフランスに迷い込んだような感覚になりました。
閉園の理由は、コロナウイルスの影響で来場者数が激減したことと、建物の老朽化が進んだことだそうです。最初の理由はわかりますが、建物の老朽化については率直に言って疑問が残ります。開園してから24年で老朽化が進むとは考えられないからです。「何故?」と言う疑問から少し調べてみました。
星の王子さまミュージアムは公営のミュージアムではなく、上場企業の子会社が運営主体でした。そこで推測されることは、上場企業のガバナンス強化が今回の閉園に関係していると推測します。多くの上場企業は事業単位で収益性を算出し、低採算な事業は撤退や縮小し、高採算な事業は成長投資を行うことで、企業全体の収益性を向上させる努力をしています。
その観点から言えば、来場者数が激減した星の王子さまミュージアムの閉園は当然の帰結と考えられます。メセナという言葉がバブル経済の時代に大いに流行りました。当時、多くの企業が社会貢献の一環として、オーケストラやオペラ、美術館などに対して積極的に資金援助を行いました。しかし、バブル崩壊後は、メセナ活動も低調になります。ESGとかSDGsの今こそあるべきメセナ活動について考える必要があるように思います。
(2)ニコライ バーグマン 箱根ガーデンについて
ニコライ・バーグマンは、フローリストであり、デザイナーです。彼は、箱根の自然と彼の感性が共鳴し、四季折々に彩られるガーデンの美しさを五感で体感できる「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」を設計し、2022年4月にポーラ美術館の近くに開園しました。
林の中に作られた道を歩くことで森林浴が満喫できます。百花繚乱の花園とは趣を異にしますが、素晴らしい場所です。
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