ノンフィクション作家のウォルター・アイザックソン(Walter Isaacson)が執筆した「イーロン・マスク(Elon Musk)」の評伝について、先日、本ブログでアップしました。
評伝で取り上げられている企業はスペースX、テスラ、ツイッター(現在“X”社)ですが、テスラ、ツイッターはマスコミでよく取り上げられているのである程度知っていましたが、恥ずかしながらスペースXについてはどんな会社が知らなかったです。
そこでスペースXについて私なりに調べたことをみなさまと共有したいです。
テスラはマスクが資本参加した会社で上場企業、ツイッターはマスクが買収した会社で買収されるまで上場企業でした。つまり、マスクが起業した企業ではありません。一方、スペースXはマスクが立ち上げた会社で未だ非上場です。スペースXはカリフォルニア州ホーソーンに本社を置くアメリカの航空宇宙メーカーです。
スペースXのビジネスセグメントはふたつあります。
- 宇宙輸送事業 ブースター(多段式ロケットの第一段)の再利用が可能なロケットを開発。そのことによって低コストでの宇宙輸送を可能にした。2022年のスペースXの年間ロケット打ち上げ回数は全世界の打ち上げ回数の3割を占める
- 衛星インターネットサービス事業 人工衛星による宇宙インターネットサービス 「スターリンク(Starlink)」を展開。スターリンクは、多数の小型通信衛星を活用し、高速通信を可能にしている。イスラエル・ハマス紛争の最中、マスクはガザで活動する国際的に認知された支援組織にスターリンクを提供するとSNSに投稿しイスラエルの強い反発を引き起こしている。
マスクは幼少期からものづくりに興味を持ち、模型ロケットを作りとPCプログラミングに熱中していました。9歳の時に両親が離婚、マスクは弟のキンバルと共に父親のもとに身を寄せました。12歳のときには最初の商業ソフトウェアであるBlasterを販売します。これがマスクの最初のビジネスのスタートで自作の対戦ゲームソフト等が当たり資金が出来た時に設立したのがスペースXです。
初期の段階でのロケットを作りは失敗の連続で赤字は膨らむばかりだったそうです。しかし、そのような状態であっても臆することなくマスクはロケットを作り続けたそうです。マスクは尋常な人間にはとても出来ない精神構造の持ち主のようです。
私は子供の頃、宇宙にものすごく興味がありました。ビッグバン理論とかインフレーション理論に関する小中学生向け記事をむさぼり読んだ記憶があります。いつか太陽系を飛び出して別の惑星に行ってみたいという夢を持ちましたが、年を重ねると共にその夢は消えてなくなりました。しかしマスクは違うのです。彼は火星に行きたいという夢を夢で終わらせないのです。彼は“火星に行くこと”をスペースXのミッションにしているのです。マスクはとても現実的とは思えないミッションを掲げ、ついにはその現実の方を捻じ曲げてしまうとアイザックソンは評伝で書いています。
イーロン・マスクの作り上げたスペースXは宇宙開発をリードし、日本人飛行士がそのロケットに乗って宇宙に飛び立つことも今では当たり前になっています。
週刊ダイアモンド (2023/11/11)によるとスペースXの直近の評価額は1370億ドル(約20.6兆円)です。非上場株で断トツの時価のスペースXに投資家の熱い視線が注がれています。今年、数百人規模の日本人投資家がスペースXを訪れたそうです。
スペースXの株は非上場ですから、市場で流通していません。ですから、個人でスペースX株を取得することは難しいと考えられます。巷間言われる時価の上昇率から“スペースX株ファンド”のような個人投資家向け金融商品が組成されると思います。一攫千金を狙ってこのような金融商品を購入したい方も少なからずおられると思います。
あるいは、人生はおカネじゃないよと火星へ旅するロマンを持ち続けるという人もやはり少なからずおられると思います。宇宙少年であった私はこちらのグループに興味を持ちます。
スペースXはこれからも大いに我々を楽しませてくれそうです。