京西清談は、私が東京の世田谷に住んでいるからと、気持ちが癒される、あるいは、”ほっ”とする話題を提供したいからです。
 
歌舞伎座7月公演「千成瓢薫風聚光、裏表太閤記」を観ました

歌舞伎座7月公演「千成瓢薫風聚光、裏表太閤記」を観ました

家内と歌舞伎座7月公演「千成瓢薫風聚光(せんなりびょうたんはためくいさおし)裏表太閤記」を観劇しました。この7月公演はエンタメ満載で楽しかったです。そして、尾上松也の演技が光っていました。

多くの人は伝統芸能って観てもわからない、わからないから面白くない、だから観ないという気持ちを持っていると思います。しかし、歌舞伎に関しては誤解であると思います。もともと「かぶき」という言葉は,〔奇抜な身なりや行動をする〕という意味の「傾く」が名詞になったもので,現在の「歌舞伎」という名称は当て字が定着したものです。「歌」は音楽,「舞」は舞踊を指します。「伎」はあまり見かけない漢字ですが,役者や役者のわざ(=演技)のことを指します。歌舞伎は長唄、三味線、鼓、太鼓、日本舞踊という伝統芸能のオンパレード、そして演じる歌舞伎役者と織りなす総合芸能です。オーケストラの演奏を聴いている時に“奇抜な身なりや行動が入ること!”が歌舞伎の本質であると理解すると歌舞伎に対してスゴク親近感を持てるようになります。

二幕目第六場 大津坂本大滝の場の舞台装置では本物の水が使われていました。それもスゴイ水量で滝の中に幸四郎、松也は飛び込み、衣装はずぶ濡れビショビショに成りながらの演技に観客はビックリです。

大詰第一場 天界紫微垣の場で急に孫悟空が登場します。孫悟空はまったく太閤記の話には関係ありません。豊臣秀吉のニックネーム“猿”と引っかけて孫悟空を登場させたようです。当に歌舞伎の本領発揮ですね!

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7月公演の内容は以下の通りです。

演目:
序幕
第一場 信貴山弾正館の場
第二場 本能寺の場
第三場 愛宕山登り口の場
第四場 同  山中の場

二幕目
第一場 備中高松塞の場
第二場 山崎街道の場
第三場 姫路秀吉陣所の場
第四場 同 海上の場
第五場 道中の場第
六場 大津坂本大滝の場

大詰
第一場 天界紫微垣の場
第二場 大坂城大広間の場

主な出演者:
豊臣秀吉/鈴木喜多頭重成/孫悟空: 松本幸四郎
明智光秀/前田利家: 尾上松也
織田信忠/加藤清正: 坂東巳之助
光秀妹お通/毛利輝元: 尾上右近
鈴木孫市/宇喜多秀家: 市川染五郎

みどころ:
群雄割拠の戦国の世。 知略と行動力に優れた秀吉は、天下統一に邁進する織田信長に仕えていた。 信長軍が大悪人・松永弾正を包囲すると、弾正は実子・明智光秀に御家再興を託し、自ら放った炎に包まれる。復讐に燃える光秀は、本能寺で信長から耐え難い屈辱を受けると、謀略を巡らせて信長の野望を打ち砕く。信長の嫡子・織田信忠は光秀の妹・お通との間に三法師という男子を設けていたが、酒宴の最中、天狗に化けた軍勢に囲まれてしまい…。秀吉が攻略する備中高松城の軍師・鈴木喜多頭重成の塞に、窮地に陥る父を案じた鈴木孫市が帰ってくるが、傍若無人の父と衝突し…。信長の死を知り、光秀追討のため都へ引き返す秀吉一行のもとへ、三法師を抱いたお通が。しかし、その行く手を嵐が阻むと、突如として海中より大綿津見神が現れて…。 やがて琵琶湖、坂本の大滝で秀吉と光秀は雌雄を決する。 さて、天界で大暴れする孫悟空が褒美を手にして宙をひとっ飛びすると、秀吉は…。天下人の出世物語を巧みに描いた伝説の舞台、43年ぶりに新たな構想で幕が開く!

豊臣秀吉の出世物語「太閤記」から、秀吉の活躍が光る“表”の物語と、その輝かしい光の陰にある秀吉のライバル・明智光秀らの悲劇的な“裏”の物語を虚実混交、巧みに織り交ぜた『裏表太閤記』。二世市川猿翁(当時 三代目猿之助)による昭和56(1981)年の初演以来、実に43年ぶりとなる上演は、その情熱的な精神は受け継ぎながら、宙乗り、早替り、本水を使った大滝での大立廻りなど、ケレン味あふれる演出が盛り込まれ、歌舞伎の魅力が凝縮された熱い舞台が繰り広げられる!

 

 

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