京西清談は、私が東京の世田谷に住んでいるからと、気持ちが癒される、あるいは、”ほっ”とする話題を提供したいからです。
 
「エモい」情報が氾濫すると人類の未来に影を落とすような気がします。

「エモい」情報が氾濫すると人類の未来に影を落とすような気がします。


 

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毎日が日曜の我が身ですが今年は夏休みを取りました。しかし“夏休み中、毎日の生活で何か変わったことがあったのか”と問われると答えに窮してしまいます。朝起きてから寝るまでのルーティンに大きな変化はありませんでした。良く考えると変化のなかったのは時間配分です。配分した時間の使い方は夏休み前と夏休み中はかなり違いました。夏休みとはリラックスすると考え、意図的に乱読、無目的な読書をしていました。

夏休み中に知った言葉があります。それは「エモい」と言う言葉です。生成AIによる解説がありましたので引用します。【「エモい」とは、心が揺さぶられて何とも言えない気持ちになったときに使う、主に若者の間で浸透している俗語(スラング)です。単に嬉しい・悲しいという気持ちだけではなく、寂しい・懐かしい・切ないという気持ちや感傷的・哀愁的・郷愁的などしみじみする状態も含みます。
たとえば、ちょっと寂れた昭和の街並みを「古い、ダサい」などとネガティブに捉えず、「情緒的で雰囲気がある」とポジティブに捉えたときに「エモい」が使われます。また、大げさな感動だけでなく、可愛い、キレイ、キュンとした、何かいいよね!というときにも気軽に使われています。】

しかしながら「エモい」情報が氾濫すると大変危険な状況をまねくと思われます。

今の人々は必要とする情報の多くはSNSから、次にTVから、最後に(読まない人が増えている)新聞から得ています。以上のような情報伝達の優先順位の下では、良きにつけ悪しきにつけ個人の感情に訴えるエピソード(「エモい」情報)が優先されるようになります。エビデンスやデータの分析が疎かになりつつあります。特に政治の世界では「エモい」情報のオンパレードです。それは選挙民である我々が「エモい」情報を求めているからだとも言えます。

私が関心ある事柄(国債のGDP比)を例にしてみたいです。IMF“World Economic Outlook”(2024年4月)に依れば、日本の債務残高の対GDP比は257.2%です。更にビックリすることは当該資料の対象となった178ヶ国中の最下位(つまり最悪の財政状態)でした。戦後の昭和の時代は債務残高の対GDP比は50%前後で推移していました。バブルがはじけて始まった失われた30年の間にこの比率は逓増して現在の257.2%(1,105兆円)に至っています。なぜ債務残高が膨らんだのでしょうか⁉それは税収等(おおよそ年60兆円)を上回る歳出(おおよそ年100兆円)を続けたため税収等の不足分の穴埋めに多額の国債が発行されたためです。1,105兆円というと雲をつかむような数値でピンときません。単純計算すると国民一人当たり凡そ1,000万円に該当します。このような多額の金額が国民負担になるのかならないのかを国民は知る必要があります。バブルが弾けた時に導入された異次元緩和の財政政策が機能しないで破綻したことは明々白々です。

岸田政権の掲げた「新しい資本主義」、「分配なくして次の成長なし」はどこに行ったのでしょうか!? 更に岸田首相は2024年定額減税を導入しました。多分、岸田首相は選挙民に「エモい」情報を提供したと思っているでしょう。選挙目当てがバレバレの施策にはさすがに腹が立ちました。

SNSが情報発信の主流になった今、政治の世界のみならず総ての分野で個人の感情に訴えるエピソード、つまり「エモい」情報で人は行動するようになります。エビデンスやデータの分析が疎かになって人は行動するようになります。それって怖いと思いませんか。

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